「自治体史編さんに係る著作権取扱いについての要望」への回答(文化庁より)


2023年3月29日、「自治体史編さんに係る著作権取扱いについての要望」を文化庁の著作権課と文化経済・国際課(文化庁ガイドラインの担当部署)に提出していましたが、4月7日、文化経済・国際課より電話にて回答がありました(「→」が回答)。

1.自治体刊行物の編さんを含め自治体が発注者となる公契約においても、ガイドラインの遵守が求められることを自治体に周知してください。
→(一般論だが)文化庁ガイドラインの周知が十分でないことは認識している。今後も周知に努める。
→芸術家等実務研修会などを開いたり、文化庁のHPで著作権・契約書に関するテキストや動画を公開しているので、活用してほしい。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/kibankyoka/kenshukai/index.html

2.ガイドラインの遵守のための相談窓口を常設にするとともに紛争解決機関(ADR)の開設を検討してください。
→令和4年度事業として相談窓口を開設していたが、終了した。今年度も夏ごろから開設する予定。
→常設の相談窓口については、予算の関係もあり、実現はできない。今後、状況を見ながら検討していきたい。

◆成果物を納品したら著作権は自動的に発注者に移ると思っている人が、発注者・受注者ともに多いこと、著作者人格権については、そもそもどういう権利なのかを知らない人が多いことを伝えました。
◆著作者人格権不行使が盛り込まれた契約書を提示され、それが何を意味するかの説明もなく、サインを求められることもあると伝えました。

3.当事者、関係団体からの情報提供、相談、報道その他によって貴庁が把握された問題事例について、当該自治体に事実関係を照会し、必要な場合には「芸術家等が協議・交渉しやすい環境を整備していく」ための情報提供、注意喚起等を行ってください。
→文化庁ガイドラインは、法的拘束力もないことから、個別の問題について照会・調査・注意喚起などをすることはできない。
→【「同じく法的拘束力のないフリーランスガイドラインについては、公正取引委員会の窓口で相談を受け付けることになっているが」との質問に対し】フリーランスガイドラインは、下請法や独禁法などベースになる法律があるからではないか。
→【「現に世田谷区では、ガイドライン違反が起きていて被害を被っているのに、どういう救済措置があるのか」という質問に対し】文化庁にはそういう仕組みがない。相談先としては、フリーランス・トラブル110番が考えられる。
→そういう具体的事例があるということは承った。文化経済・国際課だけでなく、著作権課にもインプットされている。具体事例についての情報収集はしている。この「要望」も今後の参考にさせていただきたい。

◆ガイドラインを作るだけでは不十分。それに違反している場合には相談・申告を受け付け、是正する仕組みが必要であることを伝えました。
◆「具体事例については情報収集している」とのことだったので、今後もどんどん情報を発信していくことが重要だと思いました。

(文責:杉村和美)