フリーランスの春闘宣言2026

出版ネッツでは、2022年以来、毎年、「フリーランスの春闘宣言」を発出し、1990年代からまったく上がっていないコンテンツ産業で働くフリーランスの報酬を上げようと、取り組みを行なっています。
このままではコンテンツ制作の技能だけでなく、産業の継承そのものが難しくなるのではないかと、私たちは危機感を持っています。
産業を代表する働き方であるフリーランスの報酬を上げる機運を作るべく、周知ご協力をお願いいたします。
フリーランサーの皆さまは、ぜひ、この宣言を仕事先に示して報酬アップを交渉してください。


コンテンツ産業で業務に従事するフリーランスより訴えます

2026年1月20日

ユニオン出版ネットワーク(出版ネッツ)

 日々、文字情報、ビジュアル情報に接する読者、ユーザーのみなさん、そしてそれを創り出す仕事に従事するみなさん、すべてのみなさんに訴えます。
 私たち出版ネッツは、成果物の正当な対価がフリーランスにも分配される春闘をと、2022年以来、「フリーランスの春闘宣言」を発してきました。前世紀からずっと据え置かれたままの報酬を、10パーセントアップしてください。コンテンツ産業に従事するフリーランスからの、切なる要請です。
 この業界に働く、私たちのようなフリーランスの編集者、ライター、カメラマン、デザイナー、イラストレーター、校正者などのクリエーターの多くが、紙とデジタルとを問わず、数十年にわたって上がることのない、実に低廉な報酬で仕事をし、生活をしています。私たちの報酬は、安ければ安いほど良い「コスト」として、据え置かれています。
 1970年代、印刷技術の発達、雑誌文化の隆盛を背景とした産業の要請によって、大量の出版フリーランスが輩出されました。この業界をかたち作ってきたフリーランスは、メディアと文化を創造するコンテンツ産業の申し子といえます。
 このクリエイティブワークが、替えのきく、取るに足らない仕事として軽んじられる業界のままでは、技術や創造性を次世代に継承していくこともままなりません。世界に発信すべきコンテンツ産業において、仕事をして生活するという、労働者としての当たり前の循環すら危機に瀕しています。この業界においても、創造の源泉である報酬の充実は、どうしても必要です。
 すべてのみなさんに訴えます。
 わが国は、1990年代から続く「安い日本」という呪縛から未だに抜け出せていません。物価高騰や、2023年から始まったインボイス制度、生成AIの登場が、フリーランスの首を絞めています。2024年11月に施行されたフリーランス法によって早速、複数の大手出版社が違反勧告と指導を受けたことは、業界の伝統的なフリーランス軽視を物語っています。
 受発注時に希望報酬額を提示して双方が話し合うという当たり前のプロセスが、コンテンツ産業ではとても脆弱です。フリーランス法、中小受託取引適正化法(取適法、旧下請法)が示す報酬額決定プロセスを、ぜひとも尊重してください。
 出版産業がコンテンツ・ビジネスへと変容を遂げていく産業状況のもとで、文字情報、ビジュアル情報は、商品であると同時に、文化的で普遍的な価値を持つものです。一方で、何年も何十年もフリーランスの報酬が据え置かれ、クリエイティブワークをコストと見立て、安さにのみ価値を見出すような、働き手を尊ばない産業は必ず衰退します。

 この春闘=春季生活闘争の期間を通じて、多くの企業が賃金アップを実施します。急速な人口減、慢性的な人手不足、人材流出の危機感から、政府、財界までもが賃上げに取り組む今、フリーランスを含めたすべての働く者の報酬アップは社会的課題でもあります。
 創造の成果を世に問い、知的生産に向き合う、すべてのみなさんに改めて訴えます。フリーランスの報酬を、10パーセント増額してください。雇用労働者だけでなく、フリーランスにも生活する権利を保障してください。

 70年を超えて取り組まれている春闘の果実が、フリーランスにも届く春となりますように、すべてのみなさんに訴えます。


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【過去の春闘宣言はこちら】

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