宝島社契約解除裁判控訴審 ~一審判決の不当性を訴える~ 2026年1月20日

宝島社から書籍の制作を一括して請け負ったものの、何度も修正を余儀なくされた挙句一方的に契約を解除され、報酬も追加費用も支払われなかったとして、フリーランス編集者Iさんが同社を訴えた裁判の控訴審が、2026年1月20日、東京高等裁判所で開かれました。

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一方的に契約破棄、外注費が払えない!~宝島社契約解除裁判、控訴審に向けて支援集会を開催


当日は控訴人であるIさんと代理人(本間耕三弁護士、青龍美和子弁護士)が出席。被控訴人である宝島社は代理人弁護士のみオンラインで参加しました。また、Iさんの応援に、本件で一緒に仕事をしていた外注者と出版ネッツ組合員が傍聴に駆け付けました。

控訴審では、Iさんおよび外注者が著者・監修者であるS氏や窓口のK氏の要望を聞き入れて仕事をしてきたことを詳細に主張しました。また、同社の行為が下請法4条2項4号違反に当たることを法律論として展開するという方針でした。その際、公正取引委員会「特定受託事業者に係る取引の適正化に関する検討会」委員、公正取引委員会職員研修講師、公正取引委員会競争政策研究センター研究協力者等を務め、労働法、下請法、フリーランス法に詳しい専門家の岡田直己氏(青山学院大学教授)による意見書を提出する予定であると述べました。
丁寧に審理してもらうため、Iさん側は弁論の続行を求めましたが、谷口園恵裁判長は必要なしと判断して弁論は終結、裁判は結審しました。

〇 Iさん、意見陳述を行う
当日、Iさんは意見陳述を行いました。
まず、「この裁判は私たちフリーランスの人間が制作したものや労務そのものを軽く見られるような形で否定され、挙句まともな補填もされなかったという裁判で(中略)フリーランスの権利の問題」と裁判の意義を述べた後、一審判決における「許せない点」として、次の3点を挙げました。
・(4か月間、外注者とともにかかりっきりで仕事をしたのに)補償金額がありえないほど安いこと
・著者らの意向に従って制作していたのに契約解除になったこと
・出版社の主張が二転三転し、あてにならないことそこで、控訴審ではこれら3点をきちんと審理してほしいと、力強く訴えました。

意見陳述全文はこちら

Iさんは控訴人席に着席したまま、用意したメモを読み上げていったのですが、非常に自然な語り口で、裁判官に向かって一生懸命、力強く訴えかけました。

〇逆転勝訴を目指して
控訴審はたった1日で終わりました。弁護団によれば、弁論の中で4か月間のIさんの労務を評価する参考となる新たな証拠を提出する予定でしたが、それは叶わず、参考資料として出すことになりました。
この後、法律の専門家である岡田氏による意見書を参考として提出する予定になっています。下請法第4条2項4号(不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止)についての解釈について、一審の評価判断の誤りを指摘する内容とのことです。少しでもよい判決、逆転勝訴につながればと期待しています。

次回は判決です。時間のある方、ぜひ裁判所まで足を運んでください。
逆転勝訴を目指して、たくさんの皆さんの傍聴をお待ちしております。

●次回期日(判決) 2026年3月19日(木)13:20 東京高裁 822号法廷