常駐フリー・カメラマン「労働者」と認定!

2023年8月22日付「朝日新聞」で、常駐フリー・カメラマンが労働基準監督署から「労働者」と認定されたことが大きく報じられました。

フリーカメラマンを「労働者」と認定 「偽装フリーランス」問題

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2023年6月、品川労基署において、業務委託契約を結んで働いているカメラマン(出版ネッツ組合員)の労基法上の労働者性が認定され、会社に対して労働保険(雇用保険・労災保険)に加入するよう指導がされました。

2022年7月、カメラマンYさんは通勤災害(車の運転中に後ろから追突された)に遭い、むち打ち症を発症。加害者の自賠責保険で治療費等が支払われてきましたが、同年12月に労災に変更すべく、品川労基署に労災申請を行いました。本年6月にやっと労働保険加入が認められましたが、労災(通勤災害)申請のほうは、支給決定が出るのは10月になる見通しです。

本年4月28日フリーランス新法成立時に、参議院の附帯決議では、「労働基準法の労働者に当たる者に対し、労働関係法令が適切に適用されるような方策を検討するとともに、いわゆる偽装フリーランスや準従属労働者の保護のため、労働基準監督署等が迅速かつ適切に個別事案の状況を聴取、確認した上で、適切に対応できるよう十分な体制整備を図ること」が上がりました。
私たちが知る限りでは、本件はフリーランス新法成立以降、労基署が「誤分類の修正(業務委託から雇用へと修正)」を行った第一号であり、常駐フリーに労働安全衛生法ほか労働法の適用、ならびに労災認定へ道を拓く好事例です。

「朝日新聞」の記事には、出版ネッツの杉村和美のコメントも載っています。
「偽装フリーランスの救済につながる判断で画期的だ」
「労災も当然認められると考えている」

残念ながら会社側は、労基署の認定に対し、不服の申し立てをするとのことです。
今後の動きを注視していただければと思います。

(文責:杉村和美)

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