出産・育児にかかわる公的サービスは働き方や地域を問わず公平な制度に!

2026年3月25日、出版ネッツの育児介護と仕事の両立プロジェクトチームは、「フリーランス・自営業者の保育利用に関するアンケート調査結果」(*1)と、この調査結果を踏まえた要請書を、東京都子供・子育て支援部保育支援課、こども家庭庁成育局保育政策課に提出し、厚生労働省に郵送しました。

■記者会見も実施
これに先立ち、東京都庁記者クラブで会見を行いました。まず山家直子さんが、アンケート調査実施の背景を説明しました。
・2024年11月施行のフリーランス法に「育児介護等と業務の両立に対する配慮義務」が盛り込まれた。
・産休や育休制度の適用外であるフリーランスは、休業中の所得保障がないため、早期に仕事に復帰せざるを得ない。
・にもかかわらず、保育所はフリーランスには“子どもを入れにくい”仕組みになっているという声が組合員から寄せられた。

なぜフリーランスは子どもを保育所に入れにくいの?
理由1 保育所入所は加点方式で優先順位が決まる。加点項目の中に「育児休業から復帰」を設けている場合、育児休業制度の適用外であるフリーランスはこの加点対象とならない。
理由2 就労証明書が取得しにくい(就労証明書は勤務先に書いてもらう書類で、取引先が複数ある場合はさらにむずかしい)。

◼️保育利用に関するアンケート調査結果を報告
野手香織さんは、アンケート調査結果とその分析を解説しました。
・東京都49市区のうち、回答が得られたのは30市区(61%)。
・保育利用申込者のうち、自営業・フリーランスの割合を把握しているのは3市区のみ(6%)。
・「雇用労働者とフリーランスとを同じ取り扱いにしている」「『育児休業から復帰』を加点項目から外した」と答えた市区が合わせて57%。
・就労証明関係の代替となる自己申告の書式がある市区は54%。
 フリーランス・自営業者の保育利用に関する困難・課題は、自治体によって改善状況にバラつきがあることを指摘し、出産・育児に関わるセーフティネットは、働き方や地域を問わず公平な制度であってほしいと述べました。
東京都、こども家庭庁への要請書(*2)についても紹介しました。

◼️当事者からの声
続いて当事者のHさんが、1年前、保育所入所申し込みをした際の体験を語りました。夫婦ともフリーランスとして働くHさんは、おもな取引先の配慮により2カ月の休業を取ることができましたが、その期間は無給です。生活のために早期の仕事復帰を考え、保育所入所を申し込んだところ、Hさんが取った休業は「育児休業制度の取得」とはみなされないと言われ、就労証明書に代わる書類等も用意されていませんでした。
「仕事をして、税金も納め、フリーであっても労働者であることは変わらないのに、『あなたは働いている人の枠には入らない』と宣言されたも同様で、ショックを受けた」と語りました。

最後に山家さんより、今後の取り組みについて「これだけ少子化が問題になるなか、雇用されずに働く人への育児支援や育児休業給付金がないままでいいのか、どういうものがありうるのか。まずは他団体とも協力して勉強会を重ねるなど、社会的アクションを続けていきたい」と話しました。

3月26日、東京新聞、しんぶん赤旗、「まんなかタイムス」で報道されました。
東京新聞;https://www.tokyo-np.co.jp/article/477445
まんなかタイムス:https://mannakatimes.wordpress.com/2026/03/27/2603hoikuchosa/

(文:杉村和美/編集、写真:古川晶子/執筆)

(*1)「フリーランス・自営業者の保育利用に関するアンケート調査」

(*2)東京都への要請書
   こども家庭庁への要請書
   厚生労働省への要請書