「個人事業主も労働者」 MICが厚労省に要請
厚生労働省は7月25日、「労働組合法上の労働者性の判断基準」を初めて示した労使関係法研究会(座長=荒木尚志東大教授)の報告を発表しました。
同報告は、新国立劇場事件とINAXメンテナンス事件の最高裁判決(労働者側逆転勝訴)を受け、個人事業主であっても一定の条件(要素)があれば「労働組合法上の労働者」にあたり、労働組合に入って団体交渉する権利があることを明確にしました。
労働相談の解決などに大きく関わることから、出版ネッツは、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の東海林智議長ら8名の要請団に加わり、8月1日、厚労省に出向き、「報告書」記載の「基本的判断要素」に一つでも当てはまれば、労組法上の労働者性を認めるよう、また、「判断基準」を安易な切り捨てに誤用しないよう、要請しました。
応対した厚生労働省の政策統括官付労政担当参事官室の小森康正法規第三係長は、「この報告書は、『要件』ではなく『要素』を示したものである。専属でなければ労働者性を認めない、ということはない。『事業者性』が多少あってもよく、労働者性が否定されるのは、事業者性が顕著な場合に限る。再委託など『他人労働力の利用』があっても、労働者性が認められたケースとして、思川砂利事件を例示している」などと応え、有意義な意見交換となりました。
●厚生労働省の発表
●労使関係法研究会報告書(PDFファイルが開きます)
●厚労省要請書 労組法上の労働者性判断基準(PDFファイルが開きます)