報告:円満字二郎さんの「漢和辞典編集者の気になる漢字の話」

漢字の深い話を面白く 寄り合い「漢和辞典編集者の気になる漢字の話」

講師の円満字二郎氏

講師の円満字二郎氏


3月14日(火)、元大修館漢和辞典編集者・円満字二郎さんをお招きして講演会を開催しました。
その中で印象に残ったテーマは、「給料」と言うな、「賃金」と呼べと、新入社員時代、先輩組合員から言われた経験。
そのときに感じた釈然としない思いを振り返って、給の本来の意味として「家給人足」という皇帝が庶民に向けた満ち足りた状態を表すことばを紹介。ここに含まれている持たざる者の嫉妬と羨望の気持ちが、「給」の中に込められていると。
もうひとつが漢和辞典の訓の話で「社」くみあいと読ませている辞典があること。
会社の社と組合が同じとはどうなんでしょう、と会場を笑わせました。
また、辞書編集者の最大の悩みは、どの部首にいれればいいかわからない漢字があること。
校了間際に重複掲載に気が付くという事態は、どうしても避けられないそうで、そのような時は削除した跡に別の漢字を入れて対応した経験を語ってくれました。
出版ネッツの組合員のほか、日本語検定関係者、漢字能力検定関係者、漢和辞典編集者など48人が参加しました。