月刊フォーラム 2013年9月号(1/4)

フリーランスが生き残る道(?)
「ダブルワーク」を考える

出版関連の仕事が減少傾向にあるなか、それ以外の仕事を兼務する人がいる。そこで実際に経験した、あるいは現在も兼ねている東西4人の組合員に、始めたきっかけや積極面と消極面などについて語っていただいた。
――ダブルワークを始めたきっかけと、何をやっている(やった)かを話してください。
植草昌実(執筆) 二号警備員という、工事現場や雑踏、道路などの警備をする仕事に就いている。2011年に退職してから復職先を探しつつ、並行して翻訳も手がけていた。2012年にある雑誌に連続して短編小説を載せたのだが原稿料があまりに安く、「文筆だけでは生活できないのではないか」と不安を抱いた。そんなとき、派遣会社の担当者から紹介された。研修を経て仕事に就いたのは今年の3月で、9時間ほどの勤務に月に12日ほど従事している。
水野健太郎(執筆) 院生時代に体調を崩して家にいたとき、「人の顔が直接見える仕事がしたい」と思うことがあり、予備校講師などのアルバイトをしながら教員の資格を取った。今の職場に来て3年は常勤で働いていたものの、予備校時代の経験から「一つだけでなく、いくつも兼ねるのが性に合う」と考えて非常勤で働けるようにしてもらい、それから知人の紹介で出版の仕事を始めた。

(続く)

※月刊フォーラム(forum)は、出版ネッツの機関誌です。