月刊フォーラム 2013年3月号(1/4)

内山正之さん

対談 フリーランスと起業
――誰もが起業家精神をもって!

確定申告のシーズン。青色申告ってどうなの? 法人化って大変なのかな?と、頭をよぎる人もいるかもしれません。そこで、出版社を経営する内山正之さん(西日本出版社)と、千葉潮さん(メディアイランド)に、起業のメリットや楽しさ、現実と展望などを伺いました。
――まず、起業までの経緯を教えてください。
千葉 私はまず大学卒業して出版社に入って、社内結婚したら女子は辞めるという不文律が当時はあって、辞めたわけ。しばらくデザイン事務所で編集やDTPをやっていたけど、バブルがはじけて、独立できる人は独立する、ということになってね。
当時、デザイナーは独り立ちするのが当たり前だったし、以前に「将来的にはどうしたいのか」と聞かれて、お調子者なので「一国一城の主に」とか不用意にも言ってしまって。取引先から指名で仕事も来るようになっていたので、まあいけるかなー、と35歳の誕生日に独立して、編集プロダクションを立ち上げたのが1995年。
当時は35歳で再就職は難しかったし、女性がスキルを生かそうと思ったら、自分で仕事を作り出すのが一つの道だった。
内山 僕は出版社の営業のトップだったけど、肉体的にも精神的にも限界を感じて、2001年、42歳の時に辞めた。そしたら、ある出版社の子会社を関西でつくって社長をやらへんか、と誘われたんよ。でも、どう考えても利益のあがる構造になってなくて、それを言ったら、会社登記は終わっているのに決裂してしまった。
それでも、その時たまたま大手取り次ぎの担当が前に一緒に本屋回ってた奴で、「取次口座開くで」と言ったら「ええで」言われてな。まさかOKが出るとは思ってなかったんで、なんやホンマにやらなあかんのか、って感じやった。

千葉潮さん

(続く)

 

※月刊フォーラム(forum)は、出版ネッツの機関誌です。