校正部会「分野によって気を配ること、あれこれ」レポート
去る9月28日、私たち校正部会は今年度(2026年6月~)の第1回勉強会をオンラインで開催しました。
フリーランスの校正者の仕事は、自分にとって馴染みのある分野ばかりとは限りません。分野ごとにこんな気配りが……と、再発見の勉強会になりました。
参加者は11名。校正者のほか、編集者、執筆者も。主な受注分野は理工系、企業のレポート、小学生向け書籍、中学生向け学参、自費出版、小説、英語、IT系資格書、社会学系、将棋、運転関連の資格本、女性ファッション誌、ライトノベル、コミック、一般書など多種多様。それぞれの分野で、こんなことに気を配っています。
【学年別配当漢字】「対象読者がまだ習っていない漢字にはルビを」は、児童書でよくある指示。文章を入力すると学年別に色分けしてくれるオンラインツール「ふりがな(学年別配当漢字使い分け)」が便利です。
【外来語】当初は原語に近い外来語表記が、だんだん短くなる傾向がある(例:レクリエーション→リクレーションやレクレーション、サステイナブル→サステナブル、チャンネル→チャネルなど)。小学校では「ヴ」など使用しない文字がある。
【年齢】年齢など、時間の経過で数の変わるものは検算が必要。
【イラスト】本文とイラストの整合性にも注意を払って。
【分かち書き】小学校低学年向けの書籍の分かち書きにはルールがある。講談社『日本語の正しい表記と用語の辞典』が参考になる。
【参考文献】分野によって書式が異なる。
【レシピ】料理本のレシピは、頭の中で作ってみる。
【Web】Webの校正では、体裁、フォントのチェック不要(が多い)。Web校正の重要なチェックポイントは、リンクが正しいかどうか。
編集や執筆の職能の方からはこんな意見も出され、参考になりました。
●小学生向け書籍では、主語と述語の関係をわかりやすく、構文は単純にするように気を付けている。
●漢字のとじひらき(=漢字にするか仮名にするか)は、「統一」より「見た目のバランス」を重視することもある。
●高校生向けの本で「常用漢字のルビ不要」というルールにしてよいものか? 高校生は学力差が大きい。外国ルーツの子もいるから、ルビは多めにしたほうが良いかも。
終了後のアンケートでは、「フリーでやっている人にとっては、とても貴重な勉強会」「分野によって異なる押さえどころが興味深かった」「皆さんの話が面白いうえ、勉強になった」「少しでも知っているのとまるで知らないのとでは、校正のときに違いが出ると思った」などの感想が出されました。
(成田知子/校正/校正部会世話人)


