傷病手当金に関する要望書を厚労省へ提出しました
4月24日、私たち出版ネッツは、厚生労働大臣および厚生労働省に対し、協同組合日本俳優連合および公益社団法人落語芸術協会と連名で、
「新型コロナウイルス感染症に感染した被用者等に対する傷病手当金の支給について」を提出しました。
2020年4月24日 厚生労働大臣 加藤勝信様 新型コロナウイルス感染症に感染した被用者等に対する 協同組合日本俳優連合 公益社団法人落語芸術協会 ユニオン出版ネットワーク(出版ネッツ) 新型コロナウイルス感染症対策での日頃のご尽力に敬意を表します。 記 1、3月24日付「事務連絡」では、各市町村、各国民健康保険組合および後期高齢者医療広域連合に対し、傷病手当金支給についての意向を報告するよう書いてありますが、全国的に見てどの程度の取り組み状況なのかを公表してください。 2、そのうえで、各自治体において迅速に傷病手当金の支給が行われるよう促してください。 3、「国保等における傷病手当金の位置づけ趣旨」(さらなる感染拡大をできる限り防止するためには、労働者が感染した場合〔感染が疑われる場合を含む〕に休みやすい環境を整備すること)に鑑みて、「被用者」の概念を労働行政での実務と整合させてください。具体的には、「所得税法第28条第1項に規定する給与の支払いを受けている者」「賃金」支払い関係)とともに働き方の実態(使用関係)も判断要素になることを追加で通知してください。 4、傷病手当金支給の申請を受け付ける窓口では、働き方の実態についても聴き取り、「賃金」支払いの名目が「請負代金」その他であっても本人が「定期的に働いているところがあって雇用だと思う」と述べそれに理由があるなど判断に迷う場合には、労働者性判断を所管する最寄りの労働基準監督署ないし労働局に照会するよう通知してください。 私どもの質問の2「窓口での対応においては、契約形式は雇用でなくとも実態から判断をする旨を、条例や『手続きマニュアル』に盛り込んでもらえるか」に対しては、ほとんどの区が「③対応を考えていない」と答えています。その理由として、3月24日付「事務連絡」で支給対象者を「所得税法第28条第1項に規定する給与等の支給を受けている被用者」としていることを挙げています。 しかし、新型コロナウイルスは、だれもが感染しうる危険性を持っています。人々のいのちと健康に重大な影響を与える恐れがある「指定感染症」に指定されています。傷病手当金支給の対象を拡大することは、働き手に対するセーフティネットになるだけでなく、「国保等における傷病手当金の位置づけ趣旨」にもかなうものであると考えます。 ご承知のように、「誰が被用者(雇用労働者)にあたるのか」という問題は、労災認定の際など労働行政実務や関連する行政訴訟等で重要な論点になってきました。労働基準法第9条では、「使用」と「賃金」支払いが労基法上の労働者(被用者)の判断要素となっています。労働行政ではこの規定にもとづき、主として①諾否の自由、②指揮監督、③拘束性、④代替性、⑤報酬の労務対価性で総合的に判断する実務が定着しています(私たちは「使用従属性」とも呼ばれるこの判断枠組みは過度に狭いと考えていますが、その点は措きます)。3月24日付通知にいう所得税法第28条第1項は⑤に対応しますが、市区町村(の国民健康保険課)に⑤だけを提示すると、①~④を見ないまま、使用者が賃金を「請負代金」「報酬」「業務委託料」「出演料」等の名目で支払っている場合、被用者の一部が被用者ではないと誤認され、保護からもれてしまう恐れがあります。 つきましては、感染防止と働き手の保護という通知の趣旨が徹底されるよう、賃金支払いの名目だけでなく働き方の実態(上記①~⑤)を見て被用者かどうかを判断する(当該窓口での判断が困難であれば労働行政と連携する)ことを、各自治体の窓口担当者にお伝えいただけますよう強く要請いたします。 【質問事項】 ① している。 2、 傷病手当金の支給対象者にフリーランス・業務委託で働く人を含むために、「国民健康保険条例」の中に注記(「契約形式は雇用ではなくとも実態から判断するものとする」など)を入れる、あるいは、窓口での申請書受理にあたっての「手続きマニュアル」に留意事項として明記しておくなどの対応をしていただけますか。 ① 条例の中に、注記・但書などを入れて明記する。 |
PDF版:新型コロナウイルス感染症に感染した被用者等に対する傷病手当金の支給について
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4月 28, 2020 ·
URITANI
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